まぜる

 

洋服屋でそれぞれの好きなところを見てる。一周しないうちに鏡の前に立ってる彼女と合流して「どっちがいいと思う?」「試着してみなよ」と促す。試着室でデートの服で真剣に悩んでる。「こっちはバッティングセンターデートっぽい」「こっちは今回のデートに向いてると思う」素直な感想を言うと「あーどっちもかわいい 欲しくなっちゃうじゃん どうして試着室に連れてきたの!」ってかわいく怒られたけど、永遠に悩んでそうだったから。今度のデート向きの服を買ってた。「こんなの彼氏に見せらんない」って 最高にかわいいのになぁ

「なんで付きあってくれてるの?」「自分がデートするときに参考にする!」「かわい~」

 女同士の無駄なかわいいが生まれまくっている

 

「◯◯に⬜︎⬜︎っていう美味しいお寿司屋さんがあるの知ってる?」「知らない」「あるんだけど」「ほう」「今度一緒に行こって言ったの」「いいなあ」「覚えてないでしょ」「えっ」「誕生日に一緒に行こうって言ったの」「私の?」「うん」「覚えてない!」

もうきっとたぶん 忘れないよ

 

「アイスが食べたい」

急にきた電話に答えズボン履きかえてコンビニへ向かう。先に着いて雑誌を読みながら「ねぇ 何座?」「さそり」「一緒じゃん!」「誕生日近いもの」でも、星座なんて関係なく、近くて遠いところを ぐるぐる生きているような気がする。 全然違う系統のアイスを食べる。私はいつも半分で飽きる

 

 鏡の前で服を当てて「どう思う?」「ミルクティーみたいな色でいいと思う」「かわいい」「え」「今の表現かわいかった!でも 今日は買わない」

言葉の魔法は届かなかったみたい

 

それから一年 あの服を着てて言わなかったけど気づいたよ(あ、ミルクティ届いてたっぽい)