She is

 

カロン食べてるときに感じる幸せと えびアボカドを回転寿司で必ず注文するところと ひとりでブラジャーのデザイン見ながら選んで試着しているときと 左目のほくろをアイラインで消すときと 鏡に映る自分の肌が白くて嬉しいときと aiko大塚愛を聴いて背の低い女に生まれたかったなと思うときと 抜けたまつげの長さを憶測するときと 字を丸っこく書いてみようかと思う日と 無意識にパステルカラーばかりのデザインを生んだときと おばさんから反感買ったときと 女の子に抱きつかれてもドキドキしないときと 男に優しくされたとき、あぁ私は女だなと実感する。

 

考えることが好きで、当たり前にハッピーエンドが好き。惚気話は好きだけど人の悪口はどんな顔をして聞いているのか言っているのか自分の顔を想像しなくない。人の話を聞くのは、面白くなければそんなに好きではない。でも話を聞くのは上手だと褒められたのは嬉しかった。感情がハイにもローにもならず一定で でも、ちゃんとリアクションがとれているらしい。

シャワーを浴びたあと全裸でタオルにくるまって排水溝を眺めながらどうしようもないことを考えてる20分が一日のなかで一番無駄だと思う。寝付くのが下手であんまり人を好きになれなくてそれは悲しいことだと分かっているけど独りの時間を愛している。人を好きになれますようにと祈る。甘えたいときだけ彼氏がいたらいいのにと思う。

ラインの通知は割と早く気づくけど、返信は面倒くさくて、落ちているゴミをたまに拾って帰ってきては家のゴミ箱へ入れる微妙な正義感があり、誰にも感謝されないけど、良いことをしている自分に何か良いことが起こったらいいのにと思う。

思ってもいないけどよく「そうだね」という。イツメンには入れてもらえないけど、友達はいてイツメンの誰かとのいざこざをよく聞く。結局都合のいい女になってることに憤慨する。悪く言われていることをたまに立ち聞きしては、何もなかったかのような顔をして過ごす。「あなたはお姉さんだから」の理由を小学生の頃から使われては妹がずっと背負わずにいられる大人の意見を私が聞く。妹は私のなかでずっと小学生のまんまだ。

感化されやすくて感受性が豊かで、好きになったものはきっとずっと好きでいたことを覚えていると思う。通りすぎるすべてのモノゴトに意味があることを願っている。