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ヒツジを8匹

 

 

名前をつけてあげよう。

 

 

 幼い頃から寝付きが悪い。一人暮らしをしていれば今も、と感じることはないのだが、実家に帰ってきて母、妹、私で並んでいると私と逆の方向からだんだんに寝息が近づいてくる。小さい頃は寝ることが難しいと思っていた。そのくせ夜が怖くて私が眠るまで起きていてほしいと両親に頼んだが、話しかけてうん、と返事は帰ってくるがきっと八割は寝ていたと思う。目を瞑ってもビデオをずっと一時停止していたらでてくるような黒い背景に、万華鏡のようなビームのようなものがずっと浮かんでいて耐えられなくなって、天井を見上げている。小玉電気がつけられていて、ずっと起きているからだんだん目がなれてきて天井の壁紙の模様をずっと見ていた。すると所々にこちらを睨んでいるような目に見えるところが部屋の四隅にあった。それを交互に見回して、最後に部屋の天井に二つある電気の片方のみが光っているのを見てウィンクしてるような、片方の目だけつむっているのかなとぼんやり考えて父のイビキを聞きながら眠りにつく。

ひつじを数えるのは疲れるし、時計の秒針より秋の虫の鳴き声を聞きながら、寝返りをうつ。どうか明日は失敗しませんように。迎えに来る車よりはやく指定場所についたら受かる、なんて訳の分からない願掛けをしておやすみなさい。

 

お題「ひとりの時間の過ごし方」