天気と心が比例する日

 

 気圧が低いとイライラするとかじゃなくて、高校の入学式の日、同じクラスに同じ中学から来た友達が一人もいなくて誰と話していいのか、初めまして後ろの出席番号の子に一生懸命話しかけるけど周りがうるさくて私の声が届かなかったり、相手の声をキャッチできなくて続かなくて諦めて体育館の渡り廊下で自分が入場するのを待つ。この日は、四月だというのに大雪で私の心境を表しているようだな、と降ってくる大粒の雪を眺めていた。助けて欲しいという気持ちと誰も頼れないきもち。空は真っ白で大好きな雪なのにただ降り積もってきて一向にやみそうにないのを鮮明に覚えている。

 最終テストを受けられるかどうかのテストをして失敗して年柄もなく泣きそうになっていた。「ミスをしないようにしているから、いざミスしたとき慌ててしまって上手くいかないんでしょう」と、普段もそうだ!と納得してしまうお叱りをいただいて、深く反省した。人だらけだから泣くわけにもいかず、雨が降りそうで降らない湿度の高い光が薄く見える濁った空を仰ぐ。早くこの場をさりたくて速足で歩いたらとうとう雨が降ってきた。でも、空は明るく、正直になれないような我慢が漏れてきているようだった。こんなのやめて欲しい。空を見るのをやめて私は季節外れの紫陽花をぷちっと取って帰った。

 

 

お題「最近涙したこと」