酔ってる

 

 

 

財布を新調した。40歳くらいまで使うつもり。欲しいなって夢に見て本当に買う日がくるなんて、と思う。

デパコスとか高そうなブランドのお店屋さんに自分なんかが入っていいのだろうかと思う。自分にふさわしいところってどこなんだろうとよく思い悩む。店員さんに声をかけられることは怖くない。むしろ、店員さんに声をかけてもらえた方が嬉しい。接客されるような対象だと認められた気がして図にのって色々質問したり、「かわいい」って手に持っている商品を褒める。

今日買ったお財布もそんな感じで、だいぶ背伸びをした。お財布を買うと決めて行ったけど、遠くからぐるぐる観察されるだけだったらどうしようと思った。ボロボロの服を着ないように、この前おじさんが「学生さん?」って尋ねてくれた服じゃないワンピースを選んで、強気のピアスをして行った。店員さんが声をかけてくれて心底安心した。

 

人と48時間くらいずっと一緒にいたら疲れちゃってその駅から出ずに見送って帰ってきた。改札で止められて入場料だけ支払って出てきた。

 

自分の、自分だけの部屋に戻って掃除をする。床を拭いて皿を洗ってシーツとタオルケットを洗う。雨っぽい気候なので毛布は今度かな。

洗濯機が回って、掃除の区切りがついたところで財布を眺める。綺麗な深い深い緑の柔らかい皮。黒を買うつもりだったけど、革の質感が好きだったので期間限定の深い緑を購入した。黒が良かった気もするけど、だんだんお財布が汚れてきて私の視力も弱くなったら黒に見えるようになるんじゃないかな。

窓を開けて換気する。騒音はうるさいけど、風が心地よく、新しいお財布とお昼寝をした。カーテンが開いていて肌が焼けてしまうなと思ったが、目を瞑る事をやめられなかった。

一時間くらい眠り、ぼーっとしていた。外の車よりも心臓が トカ トカ トカ うるさかった。