大人になるな

 

 

あぁ もうこんなに月日が経ってしまったね

高校時代とか中学時代の制服を着てた頃のもう戻れないって知ってることをふと ふり返るとかけがえがないことのように思える。

引き返すことができない一本の道を歩いてる。当時はそのことが分かるようで、でも近すぎて分からなかった。三月にくる「お別れ」でも、ハタチになったら成人式で会えると思っても来ない人もいてさ。ここで「バイバーイ」ってしたら次、会えるのはいつ?って。私に「会いたい」と思って連絡をとってくれる人なんていないでしょ。私は自分から「会おう」って提案しなきゃ誰からも連絡がこない魅力がない人間だ。誕生日のメールとか顕著に現れるでしょ。でも、誘ったら遊んでくれる友人もいる。だから自分の意思に従って行動しなきゃならない。更に理性の範囲で。

大人になってしまうんだね

我慢したり、笑えなかったり、あの頃を話しているなんてさあ、可笑しいね。青いジャージを着ていた姿を思い浮かべてなるほどね、なんてね。

三年に一度不審者に声をかけられるのもそれはだんだん「ナンパ」になって、補導される年齢も「18歳以下」だということ、年をとってもう関係ないんだけどねとは笑えなかった。「危なかった(笑)」にしとく。

ハタチ、二十歳。

「その年でそれはあれだからもう妹にあげたら?」と母の一言。20歳になって急に言われ出したことではないけど、周りの目を気にしなければならないのか。三編みしてたら意味深な目で見られる割りに髪染めたら「黒の方が若く見えるよ」とかどっち!って思う。

大人にならなきゃいけないのかなぁって意識変えなきゃなって思うことを伝えたら

「最初はそう思ったけどやめた。自分らしさがなくなる」

と言われた。身近な年上に。年上だと感じない年上に言われて年上だと思った。同じ時間を生きてるように思ってもやっぱり私の方が短い。簡単に嘘をつかれるし、ハッとさせられることも多い。

持っている自由を抑制するのは私だけど、自由に生きる術をなくさないように奪われないように意識して行動しなければいけないのも私だ。考え方を打ち込められてできあがるなんて嫌だ。「若い」「女」武器を振り回して一人っ子らしく今を生きるんだ。私は一人っ子。お下がりなんてもらわないし、気に入ったものも妹になんてあげない。制服を着ていた私の延長上を歩いているだけ。前を向くために後ろを振り返るんだ。1㎝も延びていないのだ。届かないときにちょっとだけ背伸びをすればそれでいい。