空気を吸って

 

肋骨の中に電気が走る 撃たれる 惚気を蹴飛ばす 手の届かない野菜 着るはずだった春服 食べたいものが思い浮かばない食品コーナー  全部流れてく 流してく 暗い部屋で咲いたしろい芍薬  空気を歩いては他人のおゆうはんと秋を想う 1週間後しぬとしたらと仮定して たかが世界の終わりみたい 間違って手首を切って 滲む色を見て なるほど 2ヶ月ぶりの記帳 不幸を直視したくないけど 不幸の時の方が解像度が高い 時間をもてあますわたしはしあわせなはず 手足をのびのびと伸ばして ここにいてもいいんだという安心感が今いちばんほしいもの 

上長をきらいになって 久しぶりに人間不信 食に興味がないことに気がついて むちゅうでごはん食べたのいつだっけな お母さんに胃袋つかまれてる 自分のこときらいなの思い出して きらいになったものを数えてたら溢れた 咳をしてもひとり ずっとひとり とまらん鼻汁 コンタック 全部タイミング悪い バイバイ

ともだちをすきになった 歌を聴いて 嗚咽 手がビチョビチョになって 喉がぎゅっとして 生きてるって実感した 強くなって強くなくてもいいんだと言えるような人になりたい